「解き方」よりも「勉強の仕方」を学ぶ
どんな塾でも、生徒と講師が以下のようなやりとりをすることがあります。
講師「では宿題チェックをします。」
生徒「(テキストを指して)ここからここまで全部分からなかったから、お母
さんに『塾の先生に解き方を全部教えてもらって来なさい。』って言
われた〜。」
講師「…。」
このやり取りをしている限り、その生徒の成績が伸びることはありません。
一体、このやり取りのどこがまずいのでしょうか。
■分からないところは次の授業まで持ち越さないことが大切
大抵の塾では、宿題はその日の授業で教えた内容あるいは既に塾(または学校)
で学習した内容から出題します。
つまり、生徒にはその復習をしてできる限りモノにしてきてもらいたいという
ことです。
そうしてもらってはじめて、次の授業でこれまでに学習した知識を活用し、
新たな単元の学習に入ったときにも理解・実践できるようになるのです。
グループ授業だとカリキュラムが決まっていますから、次の授業では次の単元
に進みます。
それにもかかわらず、前回までに学習した内容を「分からない」まま次の授業
に来てしまうと、特に数学や英語などの新しい単元はこれまでの知識の応用に
なることがほとんどであるため、ますます「分からない」状態が進んでしまう
ことになります。
ですからどんなに講師が熱心に補習を行なったとしても、時間には限りがある
ことや毎回のように特定の生徒にそのような対応をするわけには行かないため、
結局その生徒が分からないと主張する問題を全て解説することはできません。
■個別指導では対応できても成績は上がらない
では、個別指導だとどうでしょうか。
個別指導はカリキュラムを自在に変更できるため、生徒が解説してほしい問題を
授業内で対応することは可能です。
しかし、授業時間は有限ですから、1~2問の解説ならまだ対応できますが、テキ
スト1~2ページ丸々解説するとなると、解説だけでその日の授業は終わってしま
います。
そうするとその日の授業では特に新しいことを学ぶことがないため、宿題も同じ
ところかそれ以前の範囲が出題されます。
そしてその次の授業でも宿題の解説に授業時間を使って… という繰り返しになる
と、永遠に先の単元に進むことはできなくなります。
前回の宿題の解説に貴重な授業時間を使ってしまうと、その分だけ新しい単元を
学ぶ時間は少なくなるため、あまり新しい内容を学習することができなくなる
のです。
その結果、学校の授業進度に遅れをとってしまったり、重要な単元やその生徒が苦
手な単元に多く時間を使うことができず、成績が上がるどころか下がってしまう
ことさえあります。
つまり、グループ授業にせよ個別指導にせよ、こうした生徒(保護者様)の要望にその
まま応えることは不可能だったり、生徒(保護者様)の不利益になってしまうためお
断りせざるを得ないのです。
■「自分で解決しようとする」ことは大切なトレーニング
では、こうした場合どうすればいいのでしょうか。
答えは一つです。
その生徒は「問題の解き方」を教わるのではなく、「対処の仕方」を教わるのです。
基本的に塾から出される宿題は、授業で学習した内容の復習になっているはずです。
ただ復習といっても、授業で扱った基本問題から授業では触れていない応用問題まで
出題されていることがほとんどです。
当たり前ですが、応用問題は応用力をつけるための問題なので解けることもあれば解
けないこともあり、そんなことは宿題を出している塾の担当も重々承知しています。
この「解けなかったとき」にどう対処するか、これが大切です。
保護者様や兄姉など解き方が分かりそうな他者に解き方を教えてもらおうとする生徒
がいますが、時間がかかる上に相手の時間まで奪うことになり、また正しい解法を教
えてもらえるとは限らないのでお勧めしません。
そこで生徒や保護者様は「じゃあ塾の先生にきこう」という発想になりますが、これも
上記の通りで、さらに塾の担当に質問するには生徒と講師の都合を合わせなければなら
ず、時間的な制約があり効率が悪いのでお勧めしません。
正しい対処法は「解答・解説を見る」です。
わざわざ他人に聞かなくても、正しい答えや解き方は解答・解説に詳しく載っています。
(もし詳しく載っていない場合は、テキストを変更すべきです。)
この解答・解説に載っている解き方を理解するまで何度も読むのです。
応用問題だと、はじめのうちは解答・解説を読んでも全て理解できないかもしれません
が、繰り返していく間にだんだんと理解できるようになっていきます。
そしてこの作業こそが学力を上げるための大切なトレーニングであるため、塾からの宿
題の一部分なのです。
■「一(いち)を聞いて十(じゅう)を知る」人になる
塾の授業で理解できた基本問題だけを宿題でできるようにすることは、いわば「一(いち)
を聞いて一(いち)を知る」状態です。
塾の授業で理解した基本問題だけでなく、基礎知識を応用させて解く発展問題まで宿題
で取り組むことは、「一(いち)を聞いて十(じゅう)を知る」ための訓練です。
「一(いち)を聞いても一(いち)しか知ることのできない」人と「一(いち)を聞いて十
(じゅう)を知る」人では、同じことを学んだときに天と地ほどの差が出ます。
学年が上がるにつれて学習する内容は難しく、学校の授業スピードもどんどん速く
なります。
さらに、どの塾も一般的には学年が上がるにつれ授業料は高くなるため、学校で学習
する内容が速く難しくなったからといって、その分授業回数を増やすのは経済的にも
負担がかかります。
そのため、結局は生徒自身が与えられた塾の授業時間内にできるだけ多くのことを学
べるように、学習効率を上げていかなければいずれどこかで頭打ちになってしまう
のです。
■社会に出たときに…
このことは学校の勉強だけに留まりません。
社会に出るときに「一(いち)を聞いて十(じゅう)を知る」人になっているのか、それとも
「一(いち)を聞いても一(いち)しか知ることのできない」人のままでいるのか。
どちらが生徒にとっていいことなのかは言うまでもありません。
大人社会の世界では「一(いち)を聞く」ことすらできない場合もあり、そのようなときは
自分で試行錯誤していくほかないのです。
東京都渋谷区にある最難関私立中高一貫校であるS学園の教育方針は「自調自考(自分で調
べて自分で考える)」といって、生徒に自主性を持ってもらうことを大切にしているそう
です。
また神奈川県でも1,2を争う名門男子進学校であるE学園中学・高校の数学の授業は、基礎
知識をプリントで確認した後はひたすら応用問題を生徒に考えさせるのだそうです。
上に挙げた2校はいずれも、受験だけでなく社会に出た後のことも考えた、長期的な
視点からの教育を実践しているといえます。
■くばと塾では…
くばと塾では、宿題で分からない問題があれば次の授業までに塾に質問に来ることを
奨励しています。
くばと塾は講師1名につき生徒は最大4名までの個別授業なので、4名に満たない授業で
あれば質問対応が可能なのです。
但しそこでも教えることは(ケースバイケースですが)基本的に「対処の仕方」です。
くばと塾に長く通ってくれている生徒の多くは正しく「対処の仕方」を身につけてい
るため、質問に来るときは入試の過去問や受講科目以外の自主学習内容など、本当に
他者(講師)の手助けが必要なときなので、そのときは丁寧に解説を行います。
大事なことは前回の授業で学習した内容を次の授業までにできるだけ完璧に自分のモ
ノにしておき、次の授業では新しい学習内容に入ることができるようにしておくこと
なので、そのための質問対応ならくばと塾は喜んでいくらでも行います。
この塾のことを気になったお子様や保護者様は、4回までの無料体験授業にお申し込み
下さい。
くばと塾はきっとあなたのお役に立てることとを思います。