
こんにちは、小田急相模原駅前の個別指導塾「くばと塾」です。
今回は、「[データで見る子どもの学習習慣 その1]スマホを1日3時間使うと、2時間の勉強がムダになる」ということについて書きます。
1日3時間以上スマホを使う子は、どんなに勉強しても偏差値50に届かない
生徒テスト前はちゃんと勉強してるし、スマホくらい息抜きで触ってもいいよね? 勉強する時間さえ確保していれば、スマホの時間なんて関係ないでしょ。



一見するとそのように思ってしまいますが、残念ながらそんなことはありません。
東北大学加齢医学研究所は、2010年度から毎年、仙台市教育委員会と共同で、仙台市立の小中学生約7万人を対象とした大規模調査を続けています。
学力検査の結果と、生活習慣・学習習慣のアンケートを同時に取り、両者の関係を分析するという調査です。
2017年度の調査(小5〜中3、41,084人)の結果を、縦軸に4科目(国語・算数〈数学〉・理科・社会)の偏差値(平均が50)、横軸に平日1日あたりの「勉強以外」でのスマホ等の使用時間をとってグラフにすると、驚くほどきれいな右肩下がりのグラフが現れます。


このグラフには、注目していただきたいポイントが2つあります。
1つ目は、偏差値が平均の50を割り込む分岐点が「2時間」にあるということです。
「3時間も4時間も使っている子はさすがにマズいだろう」というのは、多くの方が想像できると思います。
しかしこのデータが示しているのは、1日2時間を超えた時点で、すでに平均点を割っているという事実です。



2時間というのは、学校から帰ってきて動画を少し見て、ゲームを少しやって、友達とやり取りをして……とやっていれば、あっという間に到達してしまう時間です。
そして4時間以上の層は、偏差値44.3。
1時間未満の層(52.9)とは、実に8.6ポイントもの差がついています。
偏差値で8ポイント違えば、志望校の選択肢がまるごと変わってしまいます。
2つ目は、成績が最も良いのは「スマホを持っていない子」ではないということです。
表をよく見ていただくと、最も偏差値が高いのは「1時間未満」の52.9。
次が「全く使わない」の52.2で、「持っていない」は51.3と、実は3番目にとどまっています。
つまりこのデータは、「スマホを取り上げれば成績が上がる」とは言っていません。
最も成績が良いのは、スマホを持ったうえで、1日1時間未満に収められている子どもたちなのです。
ここは、この記事全体を通してお伝えしたい一番大事な点なので、覚えておいてください。
目指すべきは「禁止」ではなく「コントロール」です。



うちの子は特別に勉強が苦手なわけではないのに、なぜか成績が伸びないわ…。
そう感じておられる保護者の方は、まず勉強時間ではなく、スマホの使用時間を確認してみてください。
2時間勉強しても、スマホ3時間で努力は帳消しになる



スマホはたしかに使ってるけど、その分ちゃんと勉強時間も確保してるよ。 ちゃんと寝てるし、勉強もしてるんだから、差し引きゼロでしょ?
これも大きな誤解です。
先ほどの調査では、スマホの使用時間だけでなく、家庭学習の時間ごとにグループを分けて分析が行われています。そこから読み取れることは、次の3点にまとめられます。
- 自宅での学習時間が長いほど、成績は良い
- 自宅で勉強する・しないにかかわらず、スマホを使う時間が長いほど成績が悪い
- たとえ毎日2時間以上勉強していても、スマホを3時間以上使ってしまうと、成績はほとんど勉強していない子と変わらない水準まで落ちる
3つ目が、この調査で最も衝撃的な結果です。
つまり、2時間の勉強が、3時間のスマホによって帳消しにされてしまうということです。
さらに補足すると、この現象は「スマホに時間を奪われて勉強時間が減ったから」でも、「夜更かしして睡眠時間が減ったから」でもありません。
調査を主導した研究者は、
勉強時間を確保し、睡眠時間も確保している子どもたちであっても、スマホを1日3時間以上使っていれば成績は平均未満になる
と指摘しています。
勉強時間でも、睡眠時間でも説明がつかない。にもかかわらず成績が下がる。
これは、頑張って勉強しているお子さんにとって、あまりにも報われない話です。
せっかく机に向かった2時間が、まるごと消えてしまうのですから。
「勉強時間を増やす」より先に、「スマホの時間を減らす」。 順番としては、こちらが先です。
「もともと成績が悪い子が使っているだけ」ではない ── 減らせば、学力は戻る



でもそれって、もともと勉強が苦手な子がスマホにハマってるだけなんじゃないの? スマホのせいで成績が下がった、とまでは言えないでしょ。
これは非常に鋭い指摘で、データを見るときに必ず考えるべき視点です。
「成績が低いからスマホを使う」のか、「スマホを使うから成績が低い」のか。
相関があるだけでは、どちらが原因かは分かりません。
研究チームも当然この点を検証しており、同じ子どもたちを何年も追いかける追跡調査を行っています。
その結果分かったのは、
スマホの使用時間を減らした子どもたちは、学力が着実に上がっていた
ということでした。
順番が「スマホを減らす → 成績が上がる」となっている以上、これは単なる相関ではなく、スマホの側が原因である可能性が高いことを示しています。
そしてこれは、裏を返せば非常に前向きなメッセージでもあります。
今から減らせば、学力は取り戻せる。
一度下がった成績が永久に戻らないわけではありません。
中学生からでも、高校生からでも、手を打てば改善します。
ただし、同じ追跡調査には、もう一つ重い事実があります。
自力でスマホの使用時間を減らすことができたのは、1割程度だった
のです。
9割の子は、減らせなかった。
これは意志の弱さの問題ではありません。
スマホやアプリは、そもそも「使い続けてもらう」ように設計されています。
中学生・高校生が自分ひとりの意志で対抗するのは、率直に言って無理があります。
だからこそ、家庭でのルールづくりと、周囲の大人の関わりが必要になるのです。
なお、この傾向は仙台市だけの話ではありません。
文部科学省の全国学力・学習状況調査(令和6年度)でも、SNSや動画の視聴時間が長い児童生徒ほど正答率が低下する傾向が出ており、中学3年生の数学では、使用時間が「4時間以上」の層と「30分未満」の層で平均正答率に18.5ポイントもの開きがありました。小学6年生の算数でも16ポイントの差です。
また同じ調査では、中学3年生の約3人に1人が、1日3時間以上をSNSや動画に費やしていることも分かっています。
決して「一部の使いすぎな子」の話ではないのです。
そしてこの全国調査でも、記事の前半で触れたのと同じ現象が起きています。
「スマホを持っていない」グループの正答率が、「30分未満」のグループよりも低いのです。
文部科学省は、家庭の社会経済的な背景が関係している可能性を指摘しています。
仙台市の調査でも、全国の調査でも、結論は同じ方向を向いています。
「持たせないのが最強」ではありません。
最も成績が良いのは、「持っているけれど、1時間未満に収まっている」子どもたちです。
取り上げることがゴールではなく、自分でコントロールできるようになることがゴールなのです。
くばと塾では、スマホと勉強を両立する習慣づくりから指導しています
ここまでのデータをまとめると、こうなります。
- 平日のスマホ使用が2時間を超えると、成績は平均を割り始める
- 3時間を超えると、2時間の勉強が帳消しになる
- 減らせば学力は戻る。ただし自力で減らせるのは1割
- 目指すべきは「禁止」ではなく「1日1時間未満のコントロール」
くばと塾では、教科の指導だけでなく、この「スマホとの付き合い方」を含めた学習習慣づくりを大切にしています。
塾の授業時間は、1週間168時間のうちのごく一部です。
その外側にある残りの時間をどう使うかで、成績は大きく変わります。
どれだけ良い授業を受けても、家に帰って毎日4時間スマホを触っていては、成果は出ません。
ご家庭で取り組んでいただきたいのは、次のようなことです。
- 平日は1日1時間までなど、時間の上限を決める
- 勉強中はスマホを別の部屋に置く(マナーモードで机の上、では不十分です)
- 寝る1時間前からは触らない
- ルールは親が一方的に決めず、親子で話し合って決める
- そして、大人も同じルールを守る
最後の2つが特に重要です。
一方的に取り上げれば反発を生みますし、保護者の方が食卓でスマホを見ていれば、お子さんは納得しません。
くばと塾では、面談の場でこうした生活習慣についてもお話をうかがい、お子さん本人が納得した上で行動を変えられるよう、一緒にルールを考えていきます。
「勉強しなさい」と言い続けるより、はるかに成績への効果が大きいからです。



勉強時間を増やすことばかり考えてたけど、その前にスマホの時間を見直さなきゃいけないんだね。 まずは平日1日1時間を目標にしてみよう!



今まで4時間くらい使ってたけど、減らせば成績は戻るんだ。 自分ひとりだと無理そうだから、親と一緒にルールを決めてみるわ!
この記事を読んで少しでも気になった方は、ぜひ一度くばと塾の「4回の無料体験授業」にお申し込みください。
くばと塾はきっとあなたのお役に立てることと思います。
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参考資料
- 榊浩平(著)、川島隆太(監修)『スマホはどこまで脳を壊すか』(朝日新書)
- 川島隆太『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)
- 東北大学加齢医学研究所・仙台市教育委員会「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」
- 文部科学省・国立教育政策研究所「令和6年度 全国学力・学習状況調査」





