「まとめてやる」より「少しずつやる」人になる

今回は塾の宿題など日々の家庭学習について書きます。

◾︎「まとめてやる」はいつか通用しなくなる

学校の提出物や定期テスト勉強、また塾の宿題を提出期限ギリギリまで取り組まず、

前日にまとめて済ませてしまう生徒は少なくありません。

確かに小学校〜中1くらいまではそれでもある程度(中の上くらいまで。上位の成績は

取れません。)は通用するかもしれませんが、それ以降は通用しなくなります。

なぜなら、中学校の勉強が進むスピードは小学校のおよそ2倍、高校の勉強は中学校の

約5~8倍になるからです。

学年が上がるにつれて学校の勉強が進むスピードが上がっても、対応できる生徒になる

にはどうすればよいでしょうか。

◾︎「毎日少しずつ取り組める」人にならないと…

それは「毎日少しずつ取り組める」人になることです。

「毎日少しずつ取り組める」人になれば、中1までの学習内容を理解するために1日に

かける勉強時間はほんのわずかでよく、中2以降も1日の勉強時間を徐々に延ばしてい

くことはそれほど難しくありません。

また、受験学年になれば家庭学習で必要な勉強時間は、平日は1日4~5時間、土日祝日

なら1日10~12時間になり、それを毎日実行することがこの時期に成績(偏差値)を上げ

る最低条件になります。

これは1週間あたりの勉強時間が40〜50時間になるため、同じ量をまとめてやるには

1週間に1日2日取り組んだくらいではとても追いつきません。

そのため、「毎日少しずつ取り組める」人にならない限り、受験学年になると成績が上

がらなくなってしまうのです。

◾︎「まとめてやる」と学習効果が激減する

また、塾の宿題や学校の提出物を「まとめてやる」と、時間に追われるためどうしても

いい加減にこなしてしまいます。

塾の宿題は問題を解き、間違えた問題の解説を見て正しい解き方を理解し、後日もう一

度解き直してできるようになって初めて、学習効果が出てきます。

しかし、授業の前日などに慌てて「まとめてやる」と、学力を上げるために必要不可欠

な「解き直し」をする機会がなくなってしまいます。

(もちろん、塾の宿題や学校の提出物を「やらない」人よりは「まとめて」でもやる人の

方が遥かにいいですが、そもそも「やらない」人は論外であり、ここでは触れないこと

にします。)

また以前にも書きましたが、「毎日少しずつ取り組む」人は一度学習したことが長期記

憶として残るため、時間が経っても忘れにくくテスト前や入試前の復習にあまり時間を

必要としません。

一方で「まとめてやる」人は一度学習したことが短期記憶のままで終わってしまい、時

間が経ったらほとんど忘れているためテスト前や入試前もう一度最初から覚え直さなく

てはいけなくなり、その分時間も多くかかってしまいます。

こうした理由から「毎日少しずつ取り組む」人との学習効果に差ができてしまい、1週間

の差は少しでも、1ヶ月・1学期・1年と積み重なっていくとその差はものすごく大きいも

のとなります。

ですから受験生はもちろん現在受験学年でない生徒も、塾の宿題や学校の提出物はまと

めてこなすのではなく、毎日少しずつ取り組むことをお勧めします。