成績を上げたい受験生に必要な心構え

春は桜が満開になる季節ですが、同時に「春の嵐」がやってくる

季節でもあります。

相模原・立川はこれからしばらく天気の悪い日が続くそうなので、

桜の花が嵐で吹き飛ばされる前にしっかり見ておきたいものです。

さて、前回は受験生の方以外に向けての話を書きました。

今回は「これからいよいよ受験生だ。しっかり勉強して成績を上

げるぞ。」という、成績を上げたい受験生に向けてのお話です。

 

 

◾︎「学力の向上=偏差値の向上」ではない

 

そんな成績を上げたい受験生が心得ておかなければならないこと

として、まず人並みにしっかり勉強して初めて成績(偏差値)

下がらないということです。

一体これはどういうことでしょうか。

 

 

受験生の学力推移

上の図のように、ほとんどの受験生は「もう受験生だから勉強

しないと」ということで、皆いっせいに勉強を始めます。

どの受験生も必死に勉強するわけですから、受験生全体の学力

それまでに比べて急激に伸びていきます。

一方、偏差値というものは相対的な学力を表すものです。

そのため、どれだけ努力して学力を上げたつもりになっても、

周りの学力も上がっているわけですから、その周りの上がっ

た学力と比較して同じような上がり方しかしていなければ成

績(偏差値)は変わりません。

それどころか、周りと比べて学力の上がり方が小さければ成

績は下がってしまうのです。

では、受験生が成績を伸ばすためにはどうすればよいのでしょ

うか。

 

 

◾︎スタートダッシュで差をつける

 

4月現在の段階ではまだまだ本格的な受験勉強に取りかかって

いる新小6・中3・高3生はそう多くないと思います。

中3・高3生などで部活に所属している生徒は、引退する6〜8

月くらいまでは「部活がメインで勉強は二の次」という状態

です。

ですが、成績を伸ばしたい生徒はこのような状況の中であえて

スタートをこの4月に切るのです。

そうすると下の図のようなことが起こります。

 

受験生の勉強開始時期と成績推移

 

現段階で同じ実力で同じように努力した場合、スタートが遅か

った生徒は早くスタートを切った生徒と比べて、勉強に取りか

かる時期が開けば開いた分だけ実力差がついてしまい、その実

力差は(先にスタートを切った生徒が努力を怠らない限り)入

試まで縮まることはありません。

数年前に「いつやるか?今でしょ!」という予備校講師の林修

先生のCMでの言葉が流行りましたが、受験勉強において「今す

ぐ始める」というのは、あらゆる場面に通用する必勝の行動パ

ターンといえるのです。

このことを踏まえて今すぐ、4月に受験勉強を始めるのか。

はたまたその他大勢の周りと同じように部活を引退してから受

験勉強に取りかかるのか。

この2つの選択肢の先にある未来は、きっと大きく違っている

はずです。

 

 

◾︎学習量で他の受験生に負けない

 

次に、他の受験生と差をつけて偏差値を上げていきたいのであ

れば、「学習量で負けない」ことが最低限必要です。

「僕は学習の『質』を高めるので学習『量』は人並みでいい」と

いう意見もあるかもしれません。

確かに、学力は(「学習の質」×「学習量」)で決まるため、学習

の「質」も上げていかなければなりません。

しかし、学習量をこなしていくうちに「こうした方がより効率が上

がるんじゃないか」とか、「このやり方は効果的だ」など取り組み

方が工夫され、学習の「質」は量をこなした経験とともに上がって

くるものです。

学習塾の授業では「こう勉強すれば成果が上がる」という「質」の

高い勉強法を生徒に伝えますが、それを実践できるのはやはり「量」

をこなす経験をした生徒だけで、「量」の乏しいままの生徒は自分の

これまでしてきた勉強法を中々変えられないことがほとんどです。

 

 

「5000時間の壁」という有名な仮説があります。

これは、人間が何か新しいものをプロレベルまで習得したり、製品

として開発したりするまでには5000時間の取り組みが必要という説

のことです。

この説からも分かるように、まずは学習量をこなすべく学習時間を最

大限確保して、ガムシャラに勉強することが結果的に学習の「質」に

つながり、最後には念願の「志望校合格」につながるのです。

「出来るだけ楽してスマートに勉強しよう」という心構えで取り組む

のか。

あるいは、「はじめは多少効率が悪くても、泥臭く必死に勉強しよう」

という心構えで臨むのか。

この両者の覚悟の差は、日が経つにつれて明確な学力差になって表れ

てきます。

 

 

◾︎他の受験生の3倍努力するつもりで臨む

 

上の2つで結局何がいいたいのかというと、「他の受験生よりも大きな

成果(偏差値の向上)を求めるなら、他の受験生よりも多く努力する」

という心構えがそもそも必要であるということです。

根性論と思われるかもしれませんが、これは道理にかなっていてごく

当たり前のことなのです。

受験生が成績を伸ばすには他の受験生の3倍努力するつもりでがんばら

なければいけません。

ですが、9月以降はどの受験生も1日に10~12時間は勉強するようにな

るので、1日にその3倍の30~36時間も自分だけ勉強するというのは実

際は不可能であり、せいぜい1日13~16時間が限度です。

しかし、「他の受験生の3倍努力するつもり」でいる人は「時間あたり

に勉強する量を3倍にできないだろうか」と、「質」を追究するように

自然となっていきます。

そしてそんな心構えでいる生徒が予備校や塾の授業で様々な受験のテク

ニックを知ったり、勉強に関するアドバイスを受けたとき、絶大な効果

を発揮するのです。

今回はかなり厳しいことを書きましたが、受験生は基本全員が必死にが

んばって勉強するものです。

そうした中で、本当に成績を上げていきたいのであればぜひこのことを

頭の片隅にでも置いておいてもらえると何よりです。

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