同じ学習量で最も成果が出る勉強のやり方

こんにちは。

今回は勉強のやり方について書きたいと思います。

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同じ10問練習したとしても…

ある学校のクラスの数学の授業で、生徒であるAさん、Bさん、Cさん、Dさんは新しく公式を習ったとします。

その公式を利用する問題の小テストが一週間後に行われることになり、テストまでに10題の練習問題を宿題として先生に出されました。

Aさん、Bさん、Cさん、Dさんは成績が横並びのライバル同士でした。

Aさんは、

Aさん

よし!すぐに片付けるわよ!

と、その日の夜に全てやり終えてしまい、それ以降テストまで勉強することはありませんでした。

Bさんは、

Bさん

毎日忙しくて一気にできないから、少しずつやろう。

と言って、1日1~2題ずつ毎日解いていきます。

Cさんは、

Cさん

宿題やるの嫌だな…

と、テスト前日まで一切手をつけず、前日になってようやく一気に終わらせました。

Dさんは、

Dさん

TVゲームが楽しすぎる!
宿題もテスト勉強もしなきゃいけないけど、ゲームがやめられない…

その頃ゲームに夢中で、ダメだと思いながらも一切やらずにテストに臨んでしまいます。

このとき、

(1) Aさん〜Cさんを、宿題にかかった時間が短い順はどうなるでしょうか。

宿題にかかった時間が短い順に、 Aさん→Bさん→Cさん

(理由)
Aさんが1番短い時間で宿題をやり終えた理由は、公式を学習したその日に宿題に取り組んだため、その公式と利用法もはっきり覚えている状態で思い出す必要がなかったからです。

2番目のBさんは毎日この公式と利用法を思い出す必要がありますが、毎日取り組むうちにその公式と利用法をすっかり覚えてしまうため、だんだんスピードが上がってくるようになります。

Cさんの宿題にかかる時間が最も長くなってしまう理由は、公式を学習してから6日間何もしなかったためその公式と利用法をほぼ忘れてしまい、1から思い出しながら宿題に取り組まなければならないためです。

(2) Aさん〜Dさんを、一週間後のテストの点数が高かった順はどうなるでしょうか。

テストの点数が高かった順に、Bさん→Cさん→Aさん→Dさん

(理由)
Bさんが最も高得点を取ることができる理由は、毎日公式とその利用法を思い出す作業をすることで、長期記憶(長期間はっきりと覚えていることができる記憶)として定着したため、テスト当日もスピーディかつ正確に公式を利用することができるからです。

2番目のCさんは前日時間をかけてがんばるものの、6日間のブランクのせいで完全にその公式と利用法が定着しないため、Bさんにはあと一歩及びません。

3番目のAさんは宿題を終えてから6日間何もしないため、公式とその利用法の記憶が薄れてしまい、せっかく宿題をやったにも関わらず成果を出すことができません。

Dさんはそもそも宿題をやっていないため、練習不足で最も点数が悪い結果となります。

記憶の性質を理解して勉強に取り組む


では、Aさん〜Dさんのうち、最も効率的で成果の出る勉強のやり方をしたのはだれでしょうか。

もちろん、2番目に短い学習時間で最も高得点を取るBさんですね。

新しいことを学習したとき、覚えたての公式や利用法は短期記憶(少しの間しか覚えていることができない記憶)として脳に記憶されます。

その日の夜や次の日に復習することでこの短期記憶は中期記憶(ある程度の期間なら覚えていられる記憶)となります。

そこから思い出す(練習する)機会が多くなればなるほど長期記憶として強く記憶に残るようになります。

当然ですが、テスト前日にもう一度思い出す作業をすれば、その作業をしないときと比べて記憶がはっきりした状態でテストに臨むことができますから、結果も良くなります。

これらのことを踏まえ、受験生でない方は次のことを意識して勉強に取り組んでみて下さい。

① 1年~数年先の入試でも覚えておけるよう、公式や利用法が長期記憶になるまでコンスタントに練習するようにする。
= 学校や塾の宿題はできるだけ毎日に分けて取り組む。

② 定期テストや模試は記憶を強化する機会と捉え、徹底的に思い出す作業に勤しむ。

= 定期テスト・模試直前は、可能な限りテスト範囲の知識のおさらいをして臨む。

①②は当たり前といわれれば当たり前のことかもしれませんが、特に①は実際にできている方は本当にごく少数です。

成績に伸び悩んでいる方は、試しにぜひ取り組んでみて下さい。

きっと良い結果につながることと思います。

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